Suragus社(ドイツ)の非接触面積抵抗測定装置EDDYCUS®シリーズ
原理
当社の新たな欧州技術パートナーとして昨年秋から日本の皆様に紹介を始めました。Suragus社は独、ドレスデンのフラウンホーファーIKTS(前IZFP)のスピンオフベンチャーであり、Eddy Current(うず電流)を用いた非接触面積抵抗測定装置やカーボンファイバー非破壊検査装置などを提供しています。特に前者はフレキシブル有機EL照明などに使われる透明導電膜の面積抵抗のオンライン非接触測定や品質管理などに適しています。
右上図に示されるように、Induction coilに交流を流すことで発生する磁場により、導電膜にうず電流(材料特性に依存)が生じます。このうず電流により上部の磁場(1次磁場)が変化するので、その変化(2次磁場)をPickup coil(インピーダンスは材料の導電性に依存)で読み取ることで導電膜の面積抵抗値を求められるというものです。
特徴
4探針法と比較した特徴
- 非接触のリアルタイム測定
- 高精度(接触抵抗に依存しない)
- センシティブな膜にも適用可能(膜にダメージ与えない)
- 高解像度での抵抗値のマッピング可能
- 封止膜や多層膜でも測定可能
- ユーザーに使いやすいソフトウエア
- 測定可能な面積抵抗: 0.1mΩ/sq ~ 1,000Ω/sq
測定装置のタイプ
EDDYCUS®TF lab Series
研究室での測定に適した非接触面積抵抗1点測定装置です。
- 測定面積:200x200㎜2
- 測定距離(ギャップ):標準4㎜(他も可能)
- 測定範囲: 0.001~1,000Ω/sq
- 測定面積:400x400㎜2
- 測定距離(ギャップ):標準4㎜(他も可能)
- 測定可能な面積抵抗:0.001~1,000Ω/sq
EDDYCUS®TF lab Hybrid (ニューモデル)
透過率(1波長)と面積抵抗の同時測定が可能なタイプです。
EDDYCUS®TF inline Series
ガラスやプラスチックフィルムへの透明導電膜や金属膜形成装置におけるインライン式非接触面積抵抗測定に適しています。ユーザーニーズに合わせた測定モジュール(複数のモジュールを並列配置)の提案が可能です。
- 測定速度:1~300点/秒/レーンで調整可能
- サンプル表面と測定端子間距離:1~60㎜で調整可能
- モジュール並列数:1~99台で調整可能
- 真空中でも大気中でも可能
EDDYCUS®TF map Series
面積抵抗の面内マッピング用です。
- スキャン時間:
1㎜測定ピッチで100x100㎜なら3分以内、200x200㎜なら5分以内 - サンプル表面‐測定端子間距離:標準1㎜(他も可能)
- 測定可能面積抵抗: 0.001~1,000Ω/sq
用途
スパッタ法による透明導電膜の開発、製造、品質管理などの役立ちます。